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室蘭本線
【むろらんほんせん】


日本国有鉄道の路線名。函館本線の長万部(おしやまんべ)駅(長万部町)から岩見沢駅(岩見沢市)に至る路線(209.3km)と,途中の東室蘭駅から分岐して室蘭駅(ともに室蘭市)に至る路線(8.1km)からなる。長万部から苫小牧までほぼ海岸沿いに進み,以後北上して追分(追分町)で石勝線と交差し,岩見沢に達する。石狩炭田から室蘭港への石炭輸送を目的に,北海道炭礦鉄道が,明治25年8月1日に岩見沢~東室蘭(当時の駅名は室蘭,のちに輪西(わにし))間を室蘭線として開業したのが始まりで,同30年7月1日に東室蘭~室蘭間が開業し,同39年10月1日に国有化された。大正12年12月10日に長万部~静狩(長万部町)間を長輪線として開業し,同14年8月20日に東室蘭~伊達紋別(伊達市)間が長輪東線として開業したのに伴い,長万部~静狩間は長輪西線と改称された。昭和3年9月10日に静狩~伊達紋別間の開業によって東室蘭~長万部間が全通して長輪線と改称され,同6年4月1日に室蘭線と長輪線とを合わせて室蘭本線(延長217.4km)となった。昭和35年5月に室蘭~西室蘭間の貨物専用線(1.4km)が開業し,同55年10月に室蘭~沼ノ端(苫小牧市)間が電化されて現在に至る。長万部~沼ノ端間は,室蘭・苫小牧の2つの工業都市および洞爺湖温泉・登別温泉の2つの観光地を沿線にもち,かつての函館本線の長万部~札幌間に代わる幹線としての重要性を増している。これに対し沼ノ端~岩見沢間は,かつての石炭輸送路線としての意義が薄れ,沿線の人口も少ないことから,実質的には別個のローカル線として機能している。全線を平均した1日1km当たりの輸送量は旅客6,631人(道内第3位),貨物1万2,787t(道内第1位),営業係数は303(道内第3位)である(昭和57年度)。1日の特急本数は,長万部~東室蘭間では函館と札幌方面および帯広方面とを結ぶ9往復,東室蘭~苫小牧間ではこれに室蘭と札幌以遠とを結ぶ特急が加わり15往復(季節列車を除く)。これらの特急はすべて千歳線経由で,苫小牧~岩見沢間は普通列車のみ(昭和62年4月現在)。なお当路線は昭和62年4月1日でJR北海道(北海道旅客鉄道)に移管された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7008840