100辞書・辞典一括検索

JLogos

28

稚内港
【わっかないこう】


稚内市北部にある重要港湾。わが国最北の港で,宗谷湾に面し,日本海とオホーツク海の分岐点に位置する。管理者は稚内市。航路泊地面積131万1,000m(^2),年間の入港船舶数2,800隻・港湾貨物取扱量175万t(昭和58年)。稚内における港づくりは鉄道優先の国策から長く棚上げにされ,大正9年に着手,昭和元年までに現在の北防波堤と北埠頭岸壁の一部が完成した。大正11年稚内に鉄道が敷設され,同12年鉄道省直営の稚内と樺太の大泊を結ぶ稚泊(ちはく)航路が開設された。昭和10年稚内と利尻・礼文(れぶん)両島を結ぶ三角航路が始まり,同10年ドーム状の防波壁をもつ北防波堤が完成。昭和13年にはドームの内部に稚内港駅から延長した鉄道レールが敷かれ,新たに稚内桟橋駅が設けられ,第2次大戦前は樺太への玄関口として脚光を浴びた。昭和23年に国際開港場,同28年特定港湾,同32年重要港湾,同34年植物防疫港,同37年検疫港と指定され,漁港から商港へと脱皮した。昭和35年頃から港づくりが本格化し,同38年中央埠頭が完成した。南地区には昭和43年から6年がかりで北洋埠頭が完成し,稚内港の性格が一変した。水産業の発展,底引船の増大,北洋漁業への進出が港を伸展させてきたが,200海里宣言以後は稚内水産業も打撃を受けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7009697