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稲荷神社
【いなりじんじゃ】


十和田市稲生(いなおい)町にある神社。旧郷社。祭神は稲倉魂命。もとは千歳森稲荷神社として,三本木元村(現十和田市)にあったもので,創祀は未詳だが,現在なお元宮と称してそこに祠がある。「国誌」には,「俚人の口碑に,村民とも寄進にて小祠を建立,天保の末に大坂・野辺地の商人等相会し,正一位まて受て奉納せし(三本木開拓誌に嘉永2年とある),以後山崎三六と云るもの守社となり」という。安政2年盛岡藩士新渡戸伝により始められた三本木開拓に伴い,蒼前社のあった現在地に社を建立遷座した。遷座に際しては,社領開発高5石を寄進し,5,000人に及ぶ人足を動員し,境内の南方に中島を築いて弁財天勧請の場所とするなど,大普請を行った(三本木開拓誌)。慶応元年改めて正一位の宣下を受け,大坂より稲荷の神輿を迎えて,8月9~10日に祭礼を取り行うようになった。別当には,五戸神明宮(五戸町)から慈正院を迎えている。明治6年千歳森稲荷神社として郷社に列格。大正期に単に稲荷神社を称するようになり(大正12年青森県神社神職名簿),現在に至る。祭礼は9月11日で,その日を含む9~11日は十和田市の秋祭りとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010004