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春日神社
【かすがじんじゃ】


下北郡大間町奥戸にある神社。旧村社。祭社は天児屋根命。「御領分社堂」では別当が修験金剛坊の千手観音とあり,延宝8年の再興としている。「邦内郷村志」には観音堂とみえ,「国誌」では神仏分離令により観音像を田名郡(むつ市)円通寺に移し,現社名としたとする。また同書には「旧は若宮観音を合せ祭りしとて観音堂とのみ唱て神社の唱はなかりけん(中略)祠務は旧何の頃にか金剛院と云る修験か当社を建立して四代相続し五代正信子なく不動院〈二小区目名村〉より栄泉坊と云るを貰受て八代栄覚坊まて修験たりしか明治二年六月復飾し神主となれり」とある。「大間町沿革史年表」によれば,飛騨高山より越後を経て十一面観世音を勧請し,若宮観音として寛永16年現在地に廟堂建立。貞享3年廟堂を御宮造りに新築,別当は金剛院。享保2年春日大明神を勧請して現在地下方に奉祀。文化13年若宮観音焼失により,文政2年長弘軒(現長弘寺)鎮守田名郡海辺33番札所22番十一面観音が若宮観音と同じ十一面観音であったところから,これを勧請して再建し,下方の春日大明神を合祀。神仏分離令により十一面観音は再び長弘軒に移されたとしている。別当金剛院は松前への漁祈祷に出かけたとされる。文化13年の火災は金剛院正信が自ら火を放ったもので,朱の法衣をつけ錫杖を鳴らし呪文を唱えながら火中に入寂したという(下北半島史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010440