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月山神社
【がっさんじんじゃ】


三戸郡三戸町泉山にある神社。旧村社。祭神は月読命。標高615mの名久井岳西山麓に所在する。また名久井岳の1峰,月山の頂きに奥院がある。社伝によると,応永18年南部氏13代守行が秋田氏との合戦に際し,月山の頂きに社殿を建てて羽黒権現を祀り,戦勝を祈願したのが始まりという。「雑書」寛永21年9月23日条に「三戸月山」と見え,盛岡藩の祈願所とされていた。明治2年名久井岳山麓の長谷(南部町)にあった羽黒堂を月山神社と称したが,同6年廃社。同12年復社して村社に列し,現在地に遷座した。例祭日の6月12日には泉山地区の7歳の男子が産土神である当社奥院に集団で登拝をする習俗がある。泉山の初参りといい,国指定の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財。この初参りは,3年間続けなければならず,また他地区へ嫁いで生まれた男児も7歳になると,必ず帰ってきて参加する。全国的に珍しい習俗である。登拝を禁じられている女子は,付近の泉山神社境内でゴザに座って見送るしきたりがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010461