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月山神社
【がっさんじんじゃ】


八戸市松館にある神社。旧村社。祭神は月読命。古くは鶴輪山九星寺,篭田大権現と称した。小高い丘陵上にある。伝承によれば,応永18年根城南部氏の10代の八戸光経が南部光行の命により秋田境に出陣したとき,出羽の月山権現の冥助を得て勝利したので,次代の長安が神恩報謝のため永享8年月山の分霊を遷したのが最初という。南部家の家紋「輪の内双舞鶴の胸に九曜の星」と八皿の行事はこの勝利をちなむものといわれる。「雑書」承応2年4月23日条に「八戸籠田月山ニて去廿日御神楽湯立」という記事が見え,また寛文5年の無量院御立願状に「一,〈かこ田ノ〉月山江 兎之絵納事」とある(常泉院文書/八戸市史)。宝暦5年の堂林寺門間数改書上帳には「籠田月山堂」として記され,それによると慶長10年社殿が造営され,別当は登善院が勤めている(同前)。登善院は寛延3年積年の諸般の祈祷に多大の尽力をしたことが認められ,7石3斗余の諸懸を免ぜられている(八戸藩史料)。明治維新の神仏分離により現社名になったものとみられ,明治初期の「国誌」にはすでに月山神社とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010462