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久慈街道
【くじかいどう】


八戸と久慈(岩手県)を結ぶ街道。八戸から新井田(八戸市)--田代(階上(はしかみ)町)--大野(岩手県)を経て,久慈に至る。県内の区間は八戸~田代間で,現在の主要地方道八戸大野線の路線にほぼ相当する。八戸市以南の道筋は階上町と南郷村の境界となっている。街道の名称は目的地の知名にちなむ。八戸から久慈までは現在約62kmあり,江戸期にはおよそ15里半の道のり。このうち八戸から田代の県境までは現在約20kmあり,江戸期にはおよそ5里の道のりであった。道筋は比較的平坦で,新井田の手前で九戸川(現新井田川)を渡った。正保4年の南部領内総絵図に「九戸川 歩行渡」とある。現在,八戸市十日市に一里塚が1基(県史跡)残る。駄賃については詳しくはわからないが,晴山文書の「御高礼文集」に八戸~田代間は3里18町で105文とある。また田代には伝馬継所が置かれていた。当街道は八戸藩(寛文4年成立)代官所のある久慈と八戸を結ぶ街道として重視された。また大野村には八戸藩の鉄山(山砂鉄)があり,鉄山への物資の輸送路として利用されていたと思われる。寛政2年高山彦九郎がこの街道を通行している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010731