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小金山神社
【こがねやまじんじゃ】


青森市入内(にゆうない)にある神社。旧郷社。祭神は金山彦神・金山姫神。創立は未詳。大同年間に坂上田村麻呂がこの付近で蝦夷の大岳丸を征伐したが,山岳鳴動して止まなかったので,大岳丸の霊魂を鎮めるために白山大権現を建立したといわれる。後に南部槻樹の須田小太郎が再建し小金山大権現と称した。慶長5年,藩祖津軽為信が新たに寺院を造営して,寺領130石を寄進し,正観音を安置して一遍山花福寺と称した。この後元和2年に全山焼失し,寺領も返上して荒廃したが,貞享3年浦町・横内・油川・後潟4か組が再建し,その鎮守となった(青森市史)。社宝の中に,慶長10年在銘の毘沙門天・不動明王像があり,また天和6年銘の獅子頭(権現と称する)があることから,江戸初期以降熊野修験系の神社であったことが推定される。社伝でも,元和2年の全山延焼後は修験となったとしている(青森市史)。明治3年に小金山神社に改称。明治6年郷社となる。観音堂は津軽三十三観音第24番札所となっており,現在でも入内の観音様と呼ばれる。境内には白山堂や陰陽石があり,同社蔵の寛文5年銘,越前国中村新兵衛寄進の狛犬一対は市指定文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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