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平神社
【たいらじんじゃ】


三戸郡名川町平にある神社。旧村社。祭神は土祖神。古くは若宮八幡宮と称した。村の古老の言によれば,当社は明治初年の頃現在地にあった若宮八幡宮に,同じ平村の相前(そうぜん)にあった蒼前神社(馬頭観世音を祀る)を移転合祀したもので,現在当社にある仁王像はかつて蒼前神社にあったものだという。「国誌」が応安7年12月の勧請と伝えるのはこの若宮八幡宮のことであろう。宝暦5年の常林寺門間数改書上帳に「若宮」として,「享徳三年建立施主岩間□□□東□儀兵衛」と見える(常泉院文書/八戸市史)。これは当社の再建を意味し,施主の「東□儀兵衛」は伝未詳だが,おそらく名久井城主東氏の一族であろう。元禄2年の堂舎修覆祈願状(社蔵)によると,当社は東氏の勧請と伝える。「八戸藩勘定所日記」宝永7年11月5日条に,「下名久井若宮堂建立仕度由依願別当屋敷の内に有之さわら壱本被下」とあり,造営準備がなされている。明治初年蒼前神社を合祀してから現社名に改称したものと考えられる。境内には神楽堂・仁王堂などがあり,木像数体も安置する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011554