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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


上北郡七戸町和田下にある神社。祭神は豊受姫大神・火産霊大神・誉田別命。社域は旧小田子村内にあり,小田子八幡宮と通称する。根岸南部氏8代南部政光(七戸南部家祖)が七戸村に退隠し,創祀したと伝える。当社は同じ開創伝承を持つ小田子不動堂の鎮守神として祀られ,不動堂とともに1つの堂宇として展開したものと考えられる。宝暦年間頃の御領分社堂の七戸通代官所の項に「上川目小田子村 一不動堂 二間四面 板葺 本山派別当 定法院」と見える。近世には天台系本山派修験五戸村年行事多門院の支配下にあったといわれる。不動堂には,運慶作と伝える木造不動明王像のほか,嘉吉元年・文安2年・宝徳3年・寛正5年など室町期のものから近世中期にかけての南部小絵馬99枚が奉納されており,小田子不動堂奉納物として県指定有形民俗文化財。見町観音堂の絵馬と同様に馬産地である当地の庶民信仰を知りうるもので,日本の小絵馬を代表するものとしてその価値は高い。明治維新で当社は神明宮(七戸町大字町)に合祀されたが(国誌),明治12年復社。昭和49年新築の社殿には,不動尊と八幡宮の2つの額が掲げられており,神仏習合的色彩を強く残している。例祭は1月3日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7012412