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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


十和田市切田にある神社。旧村社。祭神は誉田別尊。創祀は天正元年とも(陸奥国上北郡村誌),同7年とも(国誌)いう。気田弾正が高清水(十和田市相坂)から遷座させたとの伝承があるが,弾正の没年は文安元年といわれ,この伝承には従いがたい。当社には文禄5年の棟札があり,それに気多伊豆守政親とあることから,気田氏によって勧進されたことは間違いない。江戸期には修験の天台系本山派に属し,宝暦5年地面堂社書上帳(多門院文書)では,八幡宮となっている。延享3年霞小村割渡指置覚(同前)によると,下切田・中屋敷川目中・高清水・沖山4か村を霞場とし,良学院が別当を務めている。文化6年には上館・夏間木・横道を加え7か村の霞場を得,別当は良善院であった。明治6年村社に列格。「国誌」では28の末社を掲げているが,現在境内には明神と不動明王を祀る2つの祀堂だけである。大正期に八幡神社と改めた。祭礼は文化10年の神事等書上覚には11月15日(多門文書/十和田市史),明治11年頃の「陸奥国上北郡村誌」では8月15日だが,明治43年新暦9月15日に変更し,現在に至っている。この日奉納される南部切田神楽のうち五方権現舞・三番叟・鳥舞・山の神舞・女舞機織5曲が,県無形民俗文化財に指定されている。この神楽は山伏神楽の範疇に属し,古くからの伝承の型を残しているといわれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7012413