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兵主神社
【ひょうすじんじゃ】


むつ市大湊上町にある神社。旧村社。祭神は伊弉諾命。古くは釜臥山下居兵主大明神と称した。標高約879mの釜臥山の表参道入口にあたり,裏参道の光主神社(下北郡大畑町)とともに下居宮の役割を果たした。そのため釜臥山に登山参拝する「山かけ」には,当社で禊をする慣例があった。延暦7年の勧請といわれるが,明確ではない。宝暦年間頃の御領分社堂に下居明神宮と見え,別当の修験明泉院が安渡村(むつ市大湊)に住み当社を支配していた。同書はまた,「拙僧先祖勝尊代に建立仕候,当時は宮無之,社地計に御座候へとも,釜臥山を勧請仕候」とある。元和元年再建したと伝え(国誌),延宝7年にも再建している(大湊町誌)。寛政年間の「邦内郷村志」には「大明神社」とのみ記され,9月19日に祭礼が行われたらしい。嘉永3年の「東奥沿海日誌」によると,村の端にあり,境内には桧が繁茂していたという。明治維新で現社名に改称し,村社に列格。祭礼には神輿渡御を行い,神楽・山車でにぎわう。山車は俗に「ふなやま」と呼び,船形で木遺音頭という北海道の鰊を沖上げする唄をねり歩く。船絵馬など16点は市文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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