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八剣金毘羅神社
【やつるぎこんぴらじんじゃ】


三戸郡三戸町梅内にある神社。旧村社。祭神は広国押武金日命(安閑天皇)・大物主命。本来は八剣神社と金毘羅神社で,明治維新によって金毘羅神社を八剣神社に合祀,昭和45年現社名に改称した。通称こんぴらさまと呼ばれるつくし森(標高191m)の頂上にある。八剣神社は字権現にあり,細谷集落の産土神とされていた。「国誌」によると元和7年南部氏27代南部利直の勧請で,本山脈の修験大蔵坊が初代別当を務めたという。大蔵坊は山伏舞の八腰舞に長けていたので八腰舞の大蔵と称され,寛永6年には利直から11石余が付与されたという。その後12代目慈慶院の時に明治維新となった(国誌)。一方金毘羅神社は「国誌」には金毘羅堂とあり,字館の船場孫兵衛が江戸期の安永3年頃に讃岐の琴平宮をつくし森へ勧請したのが創祀で,館集落の産土神であった。明治元年神仏分離に際して金毘羅神社は廃社となり,祭神大物主命を八剣神社に合祀した。八剣神社の現在地遷座の日に雷雨を伴う暴風が吹き荒れ,ついに山上に達することが出来ず途中で引き返し,山麓の船場三治宅で一夜を明かし,翌日ようやく遷座することができたという。廃社となった金毘羅様が怒ったのだとか,八剣様が住みなれた土地から離れるのを好まなかったからだといわれている。大蔵坊が南部利直から下賜された獅子頭(桐製,黒漆塗)があり,「元和7年利直」の銘がある(県重宝)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013245