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湯口
【ゆぐち】


旧国名:陸奥

岩木川とその支流栩内(とちない)川が合流する地点の,南岸平野部に位置する。地名は,当地に元来温泉があったことに由来するという(相馬村誌)。字一ノ下リ山に,縄文後期の湯口長根遺跡と,後・晩期の湯口鉱泉遺跡がある。集落北の石戸神社の境内地には縄文後・晩期の石堂遺跡があり,平板状の自然石を積み上げた石塔や勾玉などが発掘された。また湯口茶臼館の跡地からは縄文後期の土師器などを出土する(同前)。湯口茶臼館は南朝方の溝口左膳の居館と伝え(津軽諸城の研究),集落の南端にあり,湯口山の屋根の末端を利用した山城。本郭は,南北35mから20m,東西20mから7m,東は断崖で北・西・南の三方には帯郭があり,本郭中央には不動尊を祀る小祠がある。また東から北・西にかけて濠跡があり,南方には,4条の空濠がある。さらに本郭の南側には順に二ノ郭・三ノ郭を配す。
湯口(中世)】 戦国期に見える地名。
湯口村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
溝口(近代)】 明治22年~現在の相馬村の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013296