100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

雷電宮
【らいでんぐう】


東津軽部平内町福館にある神社。旧郷社。祭神は別雷神。小湊川の河口左岸に所在する。大同2年坂上田村麻呂の創祀という。当初南部の地にあったが,いつの頃か修験の山東岳(青森市)に移り,さらに荒田内(平内町盛田)に再建したが,洪水で流され現在地に漂着したので,文禄3年福館城主七戸隼人が造営したという。文禄3年4月の棟礼写には,「奉造立雷電宮本地文珠菩薩大主武運長久」「別当 日光院三世延納法印」とある。津軽黒石氏の崇敬を受け,明暦2年の黒石領分知の時再建され,寛文2年には社料として米5俵が永代奉納された。延宝元年火災で社殿・縁起などを焼失したが,翌年再建。例祭(5月15日)の平内御祭礼は天明元年東福寺(平内町小湊)の僧が神輿を寄進したことに始まり,神輿と山車の渡御がある(以上,平内町史)。天明8年の菅江真澄紀行文「外が浜つたひ」に見え,寛政7年にも参拝している(津可呂の奥)。別当の修験日光院はもと南部の地にあり,平内地方の寺社を管掌していたという。平内地方の総鎮守として明治に至り,明治4年小湊神社と改称し,同6年には大雷神社と呼ばれた(国誌)。同年郷社に列格。付近の浅所海岸に飛来する白鳥(国特別天然記念物)が神使とされ,昔福館城主七戸隼人が当社に戦勝祈願した時,多数の白鳥が飛来し,敵は驚いて引き返してしまったという伝説がある。当社のおかげで平内には雷が落ちないとも,信仰する者は落雷に遭わないともいわれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013370