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秋田街道
【あきたかいどう】


盛岡と秋田を結ぶ道路。ほぼ現在の国道46号に一致する。江戸期の記録である「盛岡砂子」は,盛岡から出る道を雫石(しずくいし)街道と記し,雫石では秋田往来と呼んでいると述べている。当街道名は,明治5年の道路改修の願書に認められる。この道筋は,盛岡藩と秋田藩を結ぶ主要道路で,西回り航路の秋田湊に陸揚げされた物資が運ばれてきた。中世期,雫石に居城をおいた戸沢氏が,仙北地方との連絡のためこの道を利用していたと伝えられる。「邦内郷村志」は,橋場から国見峠越えの道を,牛馬を通さず,冬は旅人がとだえると記している。仙岩峠越えの道は明治になって改修されたものであるが,これも冬の車馬の通行は不可能であった。天和年間の「邦内貢賦記」による当街道の馬継所と里程は,盛岡~雫石間4里10間,雫石~橋場間(里程は脱漏),橋場~秋田生保内間6間。文政13年写の「御国中賃銭割付」によれば,宿駅間の里程と駄賃銭は,盛岡~雫石間8里8町,本荷(本馬)157文・無荷(軽尻)106文・人足77文,雫石~橋場間2里20町,本荷108文・無荷65文・人足49文,橋場~生保内間5里25町,本荷262文・無荷173文・人足131文であった(県史5)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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