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一関
【いちのせき】


旧国名:陸奥

栗駒山に源を発する磐井川が北上川に合流する流域に位置する。東部は北上山地の西縁,西部は奥羽山脈にわたる。もと吾勝郷萩野荘・釣野荘とも称したという(安永風土記)。地名の由来については,前九年の役に関塞を設置したことによるとする説と,用水堰開削によるとする2説がある(関邑略志)。前者は地形上妥当でない。用水堰にちなむ一堰・二堰・三堰が当初のものか。史料として,一堰は「月泉良印行状記」(正法寺文書)に「一堰願成寺開山弘賢」とある。三堰は巡礼札(平泉文書)に磐井郡三堰(文明16年・延徳4年)とある。隣接する宮城県栗原郡には,一迫・二迫・三迫の称がある。ここでは「迫」は「ハサマ」であるが,これは,「サコ」「サク」ともよみ,「セキ」と同語である。一関・二関などもこれと似たような用法かもしれない。
一ノ関(中世)】 戦国期に見える地名。
一関城下(近世)】 江戸期の城下町名。
一関町(近代)】 明治22年~昭和23年の西磐井郡の自治体名。
一関市(近代)】 昭和23年~現在の自治体名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013611