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鵜鳥神社
【うねとりじんじゃ】


下閉伊(しもへい)郡普代(ふだい)村卯子酉(うねとり)の卯子酉山にある神社。祭神は鵜草萱葺不合命(うがやふきあえずのみこと)・玉依姫命(たまよりひめのみこと)・海神命。創建年代は未詳だが,社伝では延暦23年卯子酉山薬師寺として建立したとも,大同2年卯子酉大明神として開山したともいう(ふるさとのお社)。また源義経北行伝説があり,美麗なる鵜鳥が沼より高山に飛ぶのを見て,その頂で義経が霊威を得たという(鵜鳥神社御縁起)。起源は定かではないが,鎌倉・南北朝期以後は山伏修験者の霊場として栄え,また江戸期から明治期にかけては多くの宿坊を持ち,漁の神・縁結びの神として庶民の信仰を集めたという(ふるさとのお社)。明治初年の神仏分離・修験道廃止で,鵜鳥神社と改称。例祭は旧暦4月8日。かつては「カケヨ(掛け魚)」を持って山に登る漁師の行列が続き,春の風物詩であったといい,現在でも近郷近在からの参拝者でにぎわう。鵜鳥権現(獅子頭)を奉じて「カミス(旦那場)」を巡行する鵜鳥神楽があり,現在でも正月明けの1~2か月,北は久慈市の久喜・小袖,南は釜石市の白浜・室浜の範囲を1年おきに「北まわり」「南まわり」と称して巡行する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013747