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江釣子神社
【えづりこじんじゃ】


和賀郡江釣子村下江釣子にある神社。旧村社。祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと)であり,大山祇命(おおやまつみのみこと)・品陀和気命(ほんだわけのみこと)・伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)を合祀。創建年代・由緒など詳しくは不明だが,社伝には「江瀬釣光」の故事がある(御本尊正観音菩薩縁起)。即ち,嘉禄元年当村の安妻宮禰宜五郎(一説では藤原五郎基常)は子供の六郎の長わずらいを看病していて,ある夜,「長瀬の渡し西の河に釣りをすべし」という夢告を得た。言葉にしたがって和賀川で終日釣りをし,川の光明の中から観音像を釣り上げ,それを祀ったところ,子供の病が全快,時の領主和賀忠頼がこれを聞いて御堂を建立したのが始まりと伝う。また,地名の江釣子は「江瀬釣光」が訛ったものという。その後,天正年間岩崎城の合戦で御堂が焼かれ,宝暦2年再興,釣江山江釣子大明神となったが,明治初年の神仏分離で江釣子神社と称して現在に至る(ふるさとのお社)。例祭は9月19日。4月3日の火防祭には山車も出てにぎわう。境内に咳神社があり,風邪の時近くの清水を飲めば治ると信じられてきた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013810