熊野神社
【くまのじんじゃ】

東磐井郡東山町長坂にある神社。旧村社。祭神は伊諾冉命(いざなみのみこと)・泉事解男命(よもつことさかのおのみこと)・速玉男命(はやたまおのみこと)。創建は建久元年長坂城主千葉介頼胤が紀州熊野から熊野三所権現を勧請し，地方鎮護の神として祀ったのに始まるという（神社名鑑）。興国元年火災のため一切を焼失したが，時の城主長坂大膳大夫が再建，以後，代々の領主の修造や社領の寄進があった（東山町史）。明治３年村社に列せられる。例祭は旧暦９月９日であったが，現在は11月３日。農作物の神として信仰されている。なお熊野神社は東北各地に広く分布しているが，県内にも50数社（宗教法人登録分）があり，盛岡以南の北上川流域をはじめ，東磐井・下閉伊・上閉伊・九戸などに多く鎮座する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7014424