100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

小鎚
【こづち】


旧国名:陸奥

小槌とも書いた。大槌湾に注ぐ小鎚川の流域に位置し,北上山地の白見山・小鎚山麓に発した小鎚川が,南側の赤内森から発する種戸川と合流する付近に存在する山村である。各集落から縄文中・後期の土器片が発見されている。白見山と新山付近は古くから製鉄の場であったとされ,俗称金クソ平といわれた。金クソ(鉄滓)が露出し広範囲にわたって製鉄が行われたことを物語る。大同年間頃,土地の開拓者芳形某を新山明神平に祀ったのが起源といわれる小鎚神社は,村民の信仰を集め,天長年間に一ノ渡に,そして寛永6年に現在地の上町に移された。小鎚神社の遷座は従来の大槌町の文化や生活の発展が山間地から海岸部へ移行したことを示すものと考えられる。また,製鉄に関する伝説も多い。大同2年銘がある鍛冶絵巻によっても製鉄業の盛んだったことが想定される。さらに,俗称鬼打ちの屋号で呼ばれる東梅氏宅には言い伝えがあり,遠い先祖が葡萄森の山麓で鍛冶業をしていた時,毎晩,鬼が押し入り屋内を荒すので,待ち伏せて槌で叩き出したという。その鬼は山中を逃れ青ノ木(現釜石市)でアオノゲ(仰向き)になって死んでいた。東梅家では叩いた槌を川に捨てたところ,大きい槌は大槌川に,小さい槌は小鎚川の河口に流れついたところから,大槌・小鎚の名が生まれたという。大槌と小鎚の木偏と金偏の違いは,大槌古城物語によると,かつて村境の紛争があり,寛文年間に大槌代官所が仲裁して村境を決定し,その際に文字も改めたものとされている。
小鎚村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
小鎚(近代)】 明治22年~現在の大槌町の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7014592