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珊瑚橋
【さんごばし】


北上川に架かる橋。国道107号が通過。北上市川岸5丁目と同市立花第10地割を結ぶ。昭和8年竣工。橋長254.6m,幅員5m。佐藤清治が設計した鋼トラス,コンクリート橋。工費10万7,675円。下流側の歩道橋は同46年架設の斜張橋。橋名は南東方向にそびえる珊瑚岳からとる。元県議沢藤幸治らの尽力によって永久橋が架けられた。右岸の黒沢尻川岸は元和9年石巻までの舟運が開かれた時の河港。正保2年には盛岡藩の御蔵や造船所が建ち,55隻の艜船が配属され(安永7年)にぎわっていた。渡船場は上川岸と下川岸にあり,明治13年には岩谷堂街道の下川岸に普通船1隻,土沢街道の上川岸渡船場は川幅100間,水深5尺,普通船4隻となっており,県内の北上川筋では3番目に交通量が多かった。上川岸に架設された最初の珊瑚橋は,同41年5月完成の木橋。立花の高館徳次郎が中心になり架設。橋長606尺,幅11尺,工費4,800円。渡り賃1人1銭,馬2銭5厘を徴収し,組合組織で運営した。翌年出水で右岸の3分の1が傾き,同43年集中豪雨で全壊したため高館氏が3度目の工事を起こして復旧。当橋の完成は北上盆地と三陸海岸の釜石・大船渡の最短コースを開くさきがけとなった。左岸一帯は北上市立公園展勝地で,桜並木が2km余も続く東北地方を代表する桜の名所となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7014755