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志賀理和気神社
【しがりわけじんじゃ】


紫波(しわ)郡紫波町桜町にある神社。式内社斯波郡一座。旧県社。祭神は経津主命(ふつぬしのみこと)・武甕槌命(たけみかづちのみこと)・猿田彦命・保食命(うけもちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・船霊命(ふなだまのみこと)の7柱。猿田彦命以下5柱は後世の合祀という。御神体は自然石の赤石で,赤石大明神・赤石七社明神・浮島明神とも称された。創建年代・沿革は未詳だが,仁寿2年正五位下に加えられており,それ以前に位階を有していたと考えられる(文徳実録)。「延喜式」神名帳に登載する岩手県内十四座の1つで,日本最北の式内社。なお社伝では延暦22年坂上田村麻呂が志波城を築いた時,その守護神として鹿島・香取の2神を勧請したことに始まるという(日本の神々)。その後,室町期に領主斯波氏が再興したと伝えられるが,再び荒廃し,明暦年間頃南部重直が所在さえ不明だった当社を探し出し再建したという(同前)。以後,南部氏の崇敬は篤く,「南部一の宮」として社殿の修造や保護に努めたが,度々の火災で神宝や古記録類を焼失しており,詳細は不明。明治4年郷社,のちに県社に列せられた。例祭は9月5日で,神輿渡御祭が行われる。なお,北上川舟運の船方衆の信仰も集め,上下する運送船や漁船は船を止めて,航海の安全や大漁を祈願したという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7014785