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出羽神社
【でわじんじゃ】


水沢市羽田町御山下にある神社。旧郷社。祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。創建年代は未詳だが,社伝では坂上田村麻呂が征夷のため出羽の羽黒山に祈願をし勝利を得たことから,大同2年江刺郡総鎮守として羽黒権現を勧請したという(神社名鑑)。また貞観年間頃慈覚大師によって弥陀・薬師・観音の三尊が安置されたともいう。その後,建長3年地頭千葉胤長が再興し,建武2年北畠顕家が鎮守府将軍として祈願し,神護の太刀を寄進したと伝承される(日本の神々)。しかし堂社の焼失もたびたびで,寛永7年・元禄16年・宝暦元年などに類焼し,神宝・古記録類を失っている。「安永風土記書上」に「一郡鎮守羽黒山,羽黒権現」とあり,真言宗羽黒派の満性院が別当。明治4年神仏分離・修験道廃止で,現社名に改称し,同6年郷社に列せられた。例祭は5月15日。旧暦6月14日夜半から15日丑刻にかけて五穀豊穣を祈願する田植祭,旧暦正月6日夜半から7日丑刻にかけて小槌の音で年占いをする小槌祭が行われる。なお鎮座する羽黒山の麓は南部鉄器で知られる鋳物の里,羽田である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7015391