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早池峰神社
【はやちねじんじゃ】


稗貫(ひえぬき)郡大迫(おおはさま)町内川目にある神社。旧県社。祭神はもと姫大神とされていたが,いつの頃からか瀬織津姫(せおりつひめ)を主神とする。北上山地の主峰早池峰山の登山口岳集落にある。創建年代は未詳だが,社伝では大同2年大迫の田中兵部と遠野の猟師藤蔵とが白鹿を追い,山頂の岩窟で金色光明の権現の霊威を感得し,一堂宇を造って本宮とし,山麓にそれぞれが遥拝所を建立して姫大神を祀ったのに由来するという。その後,遊行僧快賢が河原の坊に仮堂を建てたが,宝治元年大洪水で流失し,正安2年円性阿闍梨が河原の坊の仮堂を岳に再興し新山宮としたのが現在の早池峰神社で,また彼は妙泉寺池上院を建立し,自ら早池峰大権現別当となり,門前に六坊を置いて祭事の執行にあたらせた(日本の神々)。南部氏の時代には妙泉寺は藩主の祈願所となり,社領150石を利直から寄進されたという。明治3年神仏分離により現社名に改称し,同6年郷社,大正11年県社に列せられた。例祭は8月1日で,早池峰系の権現(獅子頭)数十頭が参加,権現舞を奉納する。また宵宮には岳神楽・大償神楽が共演する。岳・大償の両神楽は総称して早池峰神楽といい,国無形文化財で,演目は100種にも及ぶ。早池峰神社本殿は県文化財。なお,遠野市附馬牛・川井村門馬に早池峰神社,川井村小国に早池峰新山神社があり,早池峰山の登山口遥拝所にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7015837