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平泉
【ひらいずみ】


旧国名:陸奥

北上川下流右岸の沖積地を中心に,東は束稲(たばしね)山西麓に臨み,戸河内(へかない)川・太田川の流域である。平泉の語源については,中尊寺のおこりにつながると考えられている骨寺(本寺)の地(一関市厳美町)に平泉野というところがあり,旱魃にも涸れることのない冷水が湧いていたのが平泉の由来だとする説がある(平泉志)。しかし,平泉では,館の南に酒泉があり,平泉繁盛の祥瑞とされたという伝えもあったとされており,地名伝説としては,こちらがよいかもしれない。いずれにしても,この地名は,もともとあった地名と見るよりも藤原氏の移転とともに,その前途を祝ってつけた名前と考えた方がよいようである。毛越大乗院には延慶元年9月22日,元亨2年9月10日の年紀をもつ石塔婆,毛越寺には嘉暦4年3月20日,観応2年8月の年紀をもつ石塔婆,志羅山には,延慶3年4月20日,応安2年の年紀をもつ石塔婆がある。城館跡としては,高館(判官館)・大仏館・安土城・高衡館・国衡館・勅使館などがある。安土日向守(升沢摂津守,柏山氏の一族か)の城跡と伝えられる安土城を除くと平泉時代の館跡である。
平泉(古代)】 平安末期の都市名。
平泉保(中世)】 鎌倉期の都市名。
平泉村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
平泉村(近代)】 明治22年~昭和28年の西磐井郡の自治体名。
平泉町(近代)】 昭和28年~現在の西磐井郡の自治体名。
平泉(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7015925