松崎
【まつざき】

旧国名:陸奥

遠野盆地の西縁，猿ケ石川中流域に位置する。同川は小烏瀬(こがらせ)川との合流点からＳ字状に曲流しており，集落は自然堤防上と高清水山東斜面に発達する２段の緩斜面末端，湧泉帯に沿って分布する。地名の由来は，慈覚大師が遠野七観音彫像のため東禅寺村字沢ノ口の松の木を伐採したところ，その先端がとどいた地点を松先と呼びそれが転じて松崎となったと伝承している（遠野市史）。遠野七観音２番麦沢山松崎寺（松崎観音）は字松崎にある。口碑によれば，大同年間開削といわれる灌漑堰が字矢崎にある（上閉伊郡志）。「遠野物語拾遺」28話はこの堰の開削にまつわるものである。
【松崎(中世)】　戦国武士松崎氏の本拠地。
【松崎村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【松崎村(近代)】　明治22年～昭和29年の自治体名。
【松崎町(近代)】　昭和29年～現在の遠野市の町名。
【松崎(近代)】　明治22年～昭和29年の松崎村の大字名。
【松崎(近代)】　昭和29年～現在の遠野市松崎町の字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7016130