松沢神社
【まつざわじんじゃ】

東磐井郡千厩町千厩にある神社。旧村社。祭神は伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉冉命(いざなみのみこと)・誉田別命(ほんだわけのみこと)・軻遇突智命(かぐつちのみこと)。創建年代は未詳だが，社伝では慶雲年間～和銅年間頃，熊野の別当正覚坊の娘が諸国巡礼の末，千厩の金野沢（のちの神子沢）に居を構えて，熊野大権現の分霊を奉じて神事祈祷をしていたところ，ある夜，霊夢に加賀の白山大権現の来臨を得て，これを熊野御堂に合祀したのが始まりという（神社名鑑）。のちに２度奉遷して，現在地に祀ると伝承される（同前）。明治８年村社に列せられ，現社名に改称したが，現在でも「おはくさん」と呼ばれている。例祭は旧暦９月29日。例祭前日に熊野神社神霊奉迎神事があり，例祭当日の神幸祭には先陣・荒馬・御膳の行列などが行われる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7016132