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室根神社
【むろねじんじゃ】


東磐井郡室根村折壁にある神社。旧県社。室根山の中腹に本宮と新宮の2社および滝宮の小社があり,祭神は本宮が伊弉冉命(いざなみのみこと),新宮が速玉男命(はやたまのおのみこと)・事解男命(ことさかのおのみこと)。創建年代は未詳だが,社伝では本宮は養老2年鎮守府将軍大野東人が熊野本宮の分霊を迎えたのに始まり,新宮は正和2年陸奥の守護職葛西重信が同じく熊野新宮の分霊を勧請したのに由来するという。延暦20年に坂上田村麻呂,仁寿元年に慈覚大師,永承7年に源頼義・義家,嘉応元年に藤原秀衡,安元元年に源義経などの参詣祈願を伝えるが定かでない。中世では葛西氏の保護を受け,また近世では伊達氏の崇敬を得た。たびたび野火などで焼失しているが,その都度再建がなされており,社領の寄進や藩主の参詣・代参が行われてきた。また奥六郡の鎮守とせられ,一山寺院形式を形づくっていたともいう。明治初年本宮と新宮とを合祀して,現社名に改称。明治8年郷社,大正9年県社に列せられた。例祭は旧暦9月19日。閏年の翌年の旧暦9月19日は特別大祭(県無形民俗文化財)で,神輿の先着争いによる作占い,唐桑からの潮水献上にみられる浜下り神事の名残などの古い祭りの形態を伝承している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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