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理訓許段神社
【りくこだじんじゃ】


平安期に見える神社名。式内社気仙郡三座の1つ。「文徳実録」仁寿2年8月7日条に,郡内衣太手(きぬたで)神社とともに従五位下を授けられている。後世,陸前高田市氷上(ひのかみ)山に,理訓許段・登奈孝志(となかし)・衣太手の3式内社を合祭,氷上神社と号し,郡内総鎮守とし今日に至る。近世まで,3社は別々にあり,山頂に合祀しても,その旧により,東・中・西御殿と称したという。ただし,その位置は,おおむねこの山をめぐって,その一郭に神山(みわやま)を持つ(50~10町しか離れていない)状態であったから,はじめから「氷上三社」の形のものであったかもしれない。氷上は,ヒノカミであるが,これはヒナカミにもなり,日高見ということにもかかわりのある名であるかもしれない。エゾの国が日高見国であったから,それぞれにエゾの国をなしていたところに,この名が残ってよいことになる。「日本後紀」弘仁元年10月27日条には,渡島(わたりしま)の狄200余人が気仙郡に来た記事がある。渡島エゾとも深いつながりのある気仙エゾ本国の地主神たちとして氷上三社は成立したのである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7016451