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今市橋
【いまいちばし】


七北田(ななきた)川に架かる橋名。石巻街道が通過する。仙台市岩切にあり,東光寺の門前に架けられたもの。今市は元和7年に新町として取り立てられ,さらに寛永年間には今市の住民102戸が足軽に取り立てられて今市足軽と称し,東浜街道の警備に当たった要地。冠川(今市川・七北田川)の南にあり,北が岩切。今市川はこれを南北に結んでいた。主要県道仙台松島線の改良工事によって,在来の石巻街道は脇道となったが,近世まで当橋は仙台と塩竈(しおがま)・石巻方面を結ぶ主要街道上の大切な橋であった。当橋から多賀城方面への山ぎわの道を奥の細道と称したと思われる(おくのほそ道)。付近には「十符(とふ)の池」「途絶(おだえの)橋」などの歌枕に比定された地があり,文学の道となっていた。松尾芭蕉の「おくのほそ道」の旅もこの地を目指していた。中世には留守氏支配下にあり,東光寺城なども築かれていた。橋の下流,右岸には,冠屋の市場があり,付近からは青磁や白磁などの破片がよく発見されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7016778