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石神山精神社
【いわがみやまずみじんじゃ】


岩神明神とも,岩上大明神ともいう。黒川郡大和(たいわ)町麓(ふもと)にある神社名。「安永風土記」に,「壱村吉田村惣鎮守岩上大明神。別当羽黒派妙覚院」とある。ただし「黒川郡誌」に「当社は元と此の地を去ること数町なる石神沢に在りしを今の地に奉遷したるものなりという。その年代不詳なり」とあるのは,安政2年別当舎宅を移転したことと誤ったもの。その現位置は,吉田川の南岸に突出する中世の麓館跡,現在の館山公園(高さ100m)の東壁を背にしている。「神祇志料」に「社背に神石あり高さ10丈余。其の形甚だ異なり」とあるのは,神体岩である高さ30mほどの壁立した巨岩のことである。「奥羽観蹟聞老志」に「桓武紀に延暦九年十一月丁亥陸奥国黒川郡石神山精社,并に官社と為す」と,また「神名帳に曰く,黒川四座の一」とあるのがこれである。いわゆる神体山の地主神として官社に列せられたもので,他の須伎神社・行神社・鹿嶋天足別神社などがみな他からの勧請神だった中で,これは土地本来の石神であり,かつ巨石信仰さらには石神山信仰という原始信仰の名残を伝えるものである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7016795