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苅田嶺神社
【かりたみねじんじゃ】


刈田(かつた)郡蔵王(ざおう)町の南部にある神社名。「延喜式」刈田郡一座の名神大社。白鳥大明神ともいい,遠刈田(とおがつた)にある同名の郷社苅田嶺神社と区別する。大刈田山(青麻山)の麓,白石(しろいし)川と松川の合流地西岸に位置し,祭神は日本武尊,例祭は10月19日。当社はもと大刈田山薬師嶺に創社され,のち若宮に遷座,さらに大永年間現在地に移祀したと伝える(社伝)。「新抄格勅符抄」によれば延暦元年刈田嶺神社に神封2戸をあてており,早くから大刈田山は神体山として信仰されていたことがわかる。平安期にはしばしば神階昇叙が行われる。承和11年8月17日従五位下,同嘉祥元年5月13日正五位下(以上,続日本後紀),貞観11年12月8日従四位下(三代実録)を授けられている。「霊験あるによる」とあり,朝廷の尊崇も厚かった。永正11年伊達稙宗,永禄11年伊達輝宗,慶長16年伊達政宗が社殿を再興したことが棟札に記され,現社殿は享保3年片倉村休によって造営された。明治の初め社号を苅田嶺神社に復し,同5年郷社,昭和3年11月県社となる。祭神日本武尊の御子とその母が父を慕って児捨川に身を投じ白鳥になったとも,また白鳥になったのは用明天皇の後妃であったとも伝え,本殿の後ろに5基の白鳥の碑があり,その1基は寛文13年の碑である。祭日の1月14日には「暁まいり」が行われ,県内外からの参詣者でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7017346