小泉
【こいずみ】

旧国名:陸奥

村田盆地の北部を占め，地内を新川(しんかわ)と松尾川（荒川）が並行して南流し沖積地を作る。地名の由来は当地区の宮下(みやした)屋敷に古来清水の湧くところがあることによるという。「安永風土記」によると，この清水はけがれや不浄の者が用いると水色が変じ必ず凶事が起こるため常に戒めているといい，旱魃でも涸れたことがなく，今もショウブがその付近に生い茂っているとある。地内の百々目木(どどめき)遺跡は縄文時代，丹野山囲(たんのやまかこい)遺跡は弥生時代の出土品がある。南乙内(みなみおとうち)の古館(ふるだて)古墳群や老ケ懐(うばがふところ)遺跡は古墳時代の須恵器などを出土する。これらのことから全般的に早くから開けていた地域と見られている。
【小泉(中世)】　戦国期に見える地名。
【小泉村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【小泉(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7017603