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関山街道
【せきやまかいどう】


仙台市内をほぼ東西に走る街道名。仙台から広瀬川の渓流をさかのぼり,同市愛子(あやし)・熊ケ根・作並(さくなみ)を縦走し,奥羽分水嶺の関山峠の難所を越え,山形県天童市を通り,同県山形市に向かう。近世は国分山根通,明治期は作並街道と呼ばれ,仙台芭蕉の辻から,宮城郡作並を経て,山形県境に至る。「明治十五年宮城県統計書」には延長9里31丁12間,道幅最広2間3尺・最狭2間とある。大正9年4月県道に指定され,昭和28年5月2級国道,同38年6月一般国道48号となる。山形・仙台を結ぶ主要道路として整備されたのは,野蒜(のびる)築港工事監察職にあった早川智寛と,山形県令三島通庸の力によるといわれる。明治13年6月に起工し,総工費6万余円(国費支弁)で同15年10月関山新道が完成。延長4,400間で,海抜594mの地には,日本のトンネル掘削の先駆けといわれる関山トンネル(洞門の広さ5m・高さ4m・延長250余m)がつくられ,毎日郵便逓送夫40人・人力車120~130台・荷馬車200台が往来したという。昭和42年から全路線の舗装工事が進みカーブの多い路線の改修も行われ,同43年には新関山トンネル(全長890m・幅員7m,標高530m)が完成し,付近の新道(延長3.7m・幅員85m)とともに冬季間の交通確保や時間の短縮が図られた。現在の国道48号は仙台市~山形市間73km。青葉・紅葉の頃の風景がすばらしい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018122