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九十九沢橋
【つくもざわばし】


津久毛沢橋とも書く。九十九沢に架けられた橋名。玉造(たまつくり)郡岩出山町のほぼ中央部,江合(えあい)川北岸丘陵地に位置する。当橋の名は「安永風土記」に「上野目村名所,つくも沢つくも橋,但し岩手山より真坂への街道に御座候。古歌,みちのくの勢は身かたに九十九橋かけてぞわたす泰衡が首」と見え,また「封内風土記」には「津久毛橋と号す,岩出山駅より真坂駅に至る道中に在り」とある。「玉造郡誌」によれば,「九十九沢橋,一栗村上野目にあり,藤原泰衡が源頼朝の将畠山重忠に追われて九十九沢に退き守る。重忠直に九十九草を投じて徒渉し攻むるを得たりし所」とあり,九十九沢に架けられた旧松山街道の橋である。伝承では栗原郡三迫(さんのはさま)の津久毛橋との混同もあり,また,「吾妻鏡」の歌の引用も不正確である(吾妻鏡,文治5年8月21日梶原景高の歌「陸奥の勢は御方に津久毛橋渡して懸けん泰衡が頸」)。現在はコンクリート円筒管が埋設され橋の面影はない。九十九沢橋より北方約100mの道の両側に旧松山街道の一里塚が残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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