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道祖神社
【どうそじんじゃ】


佐倍乃(さえの)神社ともいう。名取市笠島にある神社。式内社名取二座のうち佐具叡(さぐえ)神社に相当する。猿田彦命・天鈿目(あめのうずめ)命をまつる岐神(さえのかみ)(道祖神)神社として古来有名で,現在も古い性神がかなりまつられている。「源平盛衰記」巻7「笠島道祖神の事」の一節に,都から陸奥に下った実方中将が,この社前を馬上のまま通り過ぎようとして神罰に当たり,落馬して死んだ物語が載せられており,古来往来の神として有名であった。同書では「賀茂の河原の西,一条の北の辺におはする出雲路の道祖神の女(むすめ)」が商人に嫁ぎ,勘当されてみちのくに下向したのを,国人があがめまつったものと伝えている。古代,多賀国府にかかる公道上の往来神で,おそらくここが,東山・東海両道が合うところだったためにまつられた岐神(道の神)であったろう。近くには奈良期の笠島廃寺跡があり,古代から名取地区の中心になる地にあった神社だったと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018448