鳴子
【なるご】

旧国名:陸奥
江合(えあい)川上流に位置し,那須火山帯栗駒火山群鳴子火山の地。鳴子温泉郷の名のあるとおり,温泉の町。式内社にも温泉神社・温泉石神社の温泉にちなむ神社が玉造(たまつくり)郡には2社あり,ともに鳴子温泉の発祥にかかわるもの。「続日本後紀」承和4年4月16日条には,玉造塞(柵)配下の温泉石神が雷のごとく鳴り震動して,昼夜やむことなく,温泉が川に流れ,藍のようになり,山は焼け谷は埋まり,その地鳴りは雷のごとくで,奇怪はたとえようもないので,これをあつくいわいしずめる記事がある。このことから,鳴子の由来として,火山の震動する音に基づいて「鳴声(なるこえ)」と呼んだのが鳴子となったとするのは,あるいは正しいかもしれない。すなわち玉造温泉においては,この温泉石神の神異をいわいしずめることが温泉事始めになっていたと思われる。なお「義経記」には,山形県の亀割山で源義経の北の方が出産,弁慶がこれを笈(おい)に入れて東に向かったが赤児は泣かなかったとあり,伝説はその赤児がこの地で初めて泣いたので「啼児(なきご)」といい,それが鳴子となったとも伝えている(奥羽観蹟聞老志)。中世大崎氏がこの方面を領し,一族最上氏が山形に羽州探題として鎮するようになると,この鳴子越えはさらに重要性を増してくる。
【鳴子(中世)】 戦国期に見える地名。
【鳴子村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【鳴子(近代)】 明治22年~現在の大字名。
【鳴子町(近代)】 大正10年~現在の玉造郡の自治体名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7018659 |





