100辞書・辞典一括検索

JLogos

6

日高見神社
【ひたかみじんじゃ】


式内社陸奥国一百座,桃生(ものう)郡六座の1つと伝える神社名。桃生町太田の地に鎮座。太田は桃生郷の地に比定されているから,日高見神社は,桃生発祥の神ということになる。初見は「三代実録」貞観元年5月18日条で「陸奥国正五位上勲五等日高見水神に従四位下を授く」とある。水神(河伯)であることがわかる。日高見は古代蝦夷国の別名に用いられた言葉で,北上川は,その日高見国を流れる川の意味で「日高見川」だったものが,後世「北上川」と書かれるようになったものと考えられる。したがって「日高見水神」は「日高見河伯」つまり北上川の水神ということになる。このような河伯神は重要な川の渡河点に船渡しの神としてまつられるのが普通で,阿武隈(あぶくま)川の「阿福麻水神(あふくまみずのかみ)」もそうであった。日高見水神も,桃生城の近く,大河にまたがって建てられていた城への道,ないし城からの道が川を越える付近に鎮座して,城の守りをなしていたものであろう。二俣神社などもその姉妹神だったと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7018921