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愛宕神社
【あたごじんじゃ】


湯沢市愛宕山鎮座。祭神は火産霊(ほのむすびの)神。社伝では延暦20年坂上田村麻呂が,征夷の際に愛宕大明神を勧請したものという。「秋田の土と人」によれば,後三年の役に源義家が太刀を奉賽し,保延元年藤原清衡が厨子を奉納した。田村麻呂が創祀した金像はたびかさなる兵火で紛失していたが,元禄2年に田の中から発見されたという。伝えのはっきりしているところでは近世佐竹氏の入部により,所預(ところあずかり)の湯沢南家義種が社殿を修築し,社領50石を寄進した。正徳4年藩内で7番目に湯沢が町になったのを記念し,7月24日のこの神社の例祭に大名行列が行われるようになったということである。「六郡祭事記」では,この愛宕祭について,別当修験永禅院・神輿御旅所へ神幸,練物・山鉾など町々より出るとある。「秋田風土記」では,同様記述のほか,また3月24日と6月14日にも祭事があり神楽を奏すとある。慶応2年白川神祇伯から正一位の神位と神号の揮毫が贈られた。近代には明治30年県社となり,昭和8年には本殿と幣殿を新築した。有名な行事になっている祭礼の大名行列は10万石の格式で,武頭(侍大将)を先頭に中乗り(殿様,子供が扮する)・押え乗り・槍持ち・鉄砲・弓・鷹匠・餌刺・徒士・典医と続く。神社の鎮座地は現在愛宕公園で市民の行楽地。桜の名所で,冬はスキー場になる。現在の祭礼は8月24日になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7019679