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荒川
【あらかわ】


仙北(せんぼく)郡協和町を流れる川。角館(かくのだて)・協和両町境の奥山(751m)の西に広がる牛沢又沢国有林に源を発し,途中,繋川・宮田又沢川を流れ,上淀川付近で本流の淀川と合流する。川名の荒川は,菅江真澄は「山川のたきち流れを似て云いはじめし村名にて,荒川,荒瀬なんどいと多かる名也」と述べている。鏡味完二氏は文字どおり「荒れ川」と考えてよいとしている。上流の嗽沢一帯は荒川鉱山として広く知られた(荒川鉱山誌)。宮田又沢川の合流点に近い米ケ森は,先土器時代の遺跡や清南海伝説で有名(協和村郷土誌)。左岸の上野は,洪水の被害がたび重なるため寛永9年頃避難して,南の高台に移住して成立した集落という。その頃の洪水で,白髪・白髭・白衣の老人が,大樹の根に腰をかけて濁流を下っていったという伝説があり,この大洪水を誰ともなく「白髭の水」と言い,後世に伝えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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