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有屋峠
【ありやとうげ】


役内(やくない)峠・黒森峠・水晶森峠ともいう。慶長年間以前の古い峠。現在の雄勝(おがち)郡雄勝町横堀で雄物(おもの)川支流の役内川をさかのぼり,川井集落から大平(おおひら)に入り,黒森(1,058m)と水晶森(1,094m)の間の鞍部を越えて山形県金山(かねやま)町の有屋に通じていた。慶長7年佐竹義宣が秋田へ遷封された時も当峠を越えたといわれる。翌8年に院内(いんない)峠(現在の雄勝峠)を越える羽州街道が開通して以来,峠越えの旧道は停止された。「続日本紀」天平宝字3年に記された平戈(ひらほこ)・横河・雄勝とある諸駅のうち,「地名辞書」は平戈は有屋峠であり,横河は現在の雄勝町横堀であるとする。最近の研究では,平戈は有屋峠南麓,横河は横堀よりもその奥の寺沢あたりとする考えが有力である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7019801