沖田面
【おきたおもて】

旧国名:出羽

翁面・沖田表とも書き，「おきたもて」ともいう。米代(よねしろ)川の支流小阿仁(こあに)川の中流山間部に位置する。友倉沢・土産(みやげ)沢などの沢水が小阿仁川に合流する地域で，川沿いの低地が耕地。ほかは広大な山林地帯。９世紀の高倉長者の屋敷址という地に観音堂があり，境内の神木としてまつる大木の根元が翁の面のように見えるので，翁面(おきなおもて)の里といい，地名はその転化という（房住山昔物語）。戦国末期秋田氏の家臣嘉成三七の居館という独活平(うどひら)館・椎(しい)館の館址がある。館址付近から土師器・須恵器片が出土。
【沖田面村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【沖田面(近代)】　明治22年～現在の上小阿仁村の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7020316