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小安峡
【おやすきょう】


雄勝(おがち)郡皆瀬村を流れる皆瀬川上流の峡谷。国鉄奥羽本線湯沢駅から南東方向30kmほどの山峡で,長さは約4km。栗駒国定公園西部の一画を占め,小安温泉郷内にある。地質的には第3紀の地層グリーンタフを浸食した深い峡谷で,その中に甌穴や滝の発達がみられ,不動滝・薬師滝など昔から有名。屹立する岩壁からは,轟音とともに熱湯が猛烈な大噴湯となっており,諸所から白煙を上げている。江戸期にも菅江真澄は「割湯とて湯を吹出る事三四丈斗り,滝川を越えてあなたの巌にあたりて霧となりて散りぬ。割湯の巌窮ごとに湯気の雲を起こして,雷神のひびきして大なる水はじきのごとく湯の吹出たり」(雪の出羽路)と驚き,それを「勝地臨毫」に写生している。昭和52年の新観光秋田三十景の第2位。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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