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栗田神社
【くりたじんじゃ】


秋田市新屋(あらや)栗田町鎮座。祭神は栗田如茂大人命。祭神は通称定之丞で,寛政年間藩の林取立役や砂留役に任ぜられて以来,文化年間を中心に日本海岸砂丘の砂防林育成に努力した。高橋勝定の三男に生まれ,14歳の安永9年栗田家に入り,17歳で養父茂寛の嗣子となる。山本・秋田・河辺(かわべ)3郡の沿岸に広く植林し松苗300万本に及んだが,特に山本郡浜田と河辺郡勝平山の植林は大きな功績で,文政10年還暦に当たり新知35石を給せられた。この年61歳で病没するや,彼に親しく協力した新屋村の東四郎・武兵衛の2人が称徳の小祠を翌11年新屋割山に建て,天保3年には藩校明徳館の助教奥山翼撰文の「栗田君遺愛碑」が彼の郡方吟味役の後任戸沢盛嗣の慫慂によって建てられた。安政4年村民が藩に請願して許可を得,割山の祠も移して栗田大明神をまつる栗田神社を船場町西方に建立,7月1日を祭礼日とした。一方山本郡大内田村でも琴平神社の境内に栗田大明神をまつり,4月8日を祭礼日とした。社地に雄物(おもの)川放水路が掘られるため明治45年7月1日(太陽暦8月13日)緑町の地に社殿を移転,増築し移転祭を挙行した。現在この付近は神社の鎮座することによって栗田町と称し,祭礼日は8月1日となっている。祭神には大正4年従五位を追贈された(河辺郡教育会:栗田定之丞)。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7020870