100辞書・辞典一括検索

JLogos

41

子吉
【こよし】


旧国名:出羽

子吉川西側の氾濫原に位置し,由利(ゆり)郡のほぼ中央に当たる。600余町歩のいわゆる子吉田圃が広がる。もと子吉郷に属す。縄文前期の末から中期にかけての遺跡と見られる船岡台遺跡や縄文中期の薬師堂遺跡がある。葛法(くずのり)遺跡からは須恵器を焼いた窯跡が確認された(県埋蔵文化財遺跡地名表)。正中13年「由利郡小石郷乙友村」は,出羽国一宮神社である大物忌神社に寄進されたが(大物忌神社文書),この乙友は子吉川の東側の小友郷のことである(地名辞書)とする。しかし小石(こいわ)郷は小石(こいし)・子吉(こよし)と同じであり,あるいは小古にもつくるといい,今西岸を子吉村とするが,中古には両岸にわたって小石郷というようだという説もある(同前)。後小松天皇の応永6年,子吉修理之助が,この子吉郷を領し子吉館に居住したという(町村合併誌)。子吉館主を兵部少輔といい,慶長の初めまで子孫連綿したが,勢いがなく一方に勢威を張るに足らず,天正年中,次郎,仁賀保氏を助けて矢島を討った。文禄元年兵部少輔,由利諸将とともに矢島満安を攻め落とす。また兵衛尉・修理などという人がある(出羽国新風土記)ともいう。由利十二頭時代に,小石を小吉と改め,子吉修理之助が領するに及んで,子吉と呼称されたという(町村合併誌)。
子吉(近世)】 江戸期~明治22年の郷名。
子吉村(近代)】 明治22年~昭和29年の由利郡の自治体名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7021063