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白瀑神社
【しらたきじんじゃ】


山本郡八森(はちもり)町東八森鎮座。祭神は火産霊(ほのむすびの)神・埴山姫(はにやまひめの)神ほか4柱。もとは神仏習合の不動社。社伝では,慈覚大師が巡錫の際湯ノ沢が海岸の段丘を落下する白瀑に打たれて修行し,みずから不動尊を刻んで滝壺の横の石洞にまつったことに起源があるという。滝は社殿の奥にあり「絶壁より巌をはなれて落下る高さ五丈四尺,広さ四丈五尺なり。夏の日にして水勢尤もたくまし,炎天にも水少しも減ぜず。滝壺平らかにして浅く漸く膝を過ぎず」(六郡祭事記)と描写されるが実際の高さは10m余で,近世の人々は滝の音が山谷にとどろきわたるが近寄っても少しも恐ろしくなく,煙霧の間に諸菩薩の像が現ずることもあると信じ尊んだ。別当は修験天竜寺であったから,山伏の行と古来の自然崇拝が結合して不動社となったものと認められる。中世安東氏の崇敬も篤かったという。もとは旧暦4月28日が祭日であった。明治5年不動社を改め白瀑神社となって郷社に列した。現在8月1日に例祭があり「神輿の滝浴び」が有名である。白装束白鉢巻の若者40~50人が町内一巡のあと,午後1時頃境内にもどり滝壺に突進して水しぶきを上げる。もともとこの水浴は神事ではなく,暑さのあまり若者たちが水中に足を踏み入れたのが恒例になったもので,第2次大戦後アメリカの雑誌「ライフ」に紹介されて有名になった。もちろん滝壺が浅く平坦で神輿を担ぎ込んでも危険がない地形によって可能な名物行事である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7021420