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諏訪神社
【すわじんじゃ】


仙北(せんぼく)郡六郷町六郷字本道(ほんどう)町鎮座。祭神は建御名方(たけみなかたの)命・八坂刀女命。延暦21年坂上田村麻呂が日本武尊の神徳をたたえ建立したと伝えられる。建久3年に社殿再建,至徳年間二階堂氏が武蔵国六郷から来住,当地方を領有して六郷氏を称し,同氏によって社殿改修され社領を受け六郷の総鎮守となった。慶長7年佐竹義宣が藩主となって秋田に至り,父の義重が六郷城に居住,社殿を修復し社領を献じた。「六郡祭事記」では旧暦の7月27日が六郷総鎮守諏訪祭で,神職は斎藤氏,祭礼には総酒屋から神酒を,肴問屋中から魚を奉納,社前の両柱に左はカツオブシ右にはニシンを結び付け,鰐口の緒にはワカメを用い,山海の産物を御供えし,寅の刻に清祓の神人が町々をめぐる。卯の刻湯立神楽,辰の上刻神輿御旅所へ渡御。この時神輿が鳥居を出るに際し「注連切舞」というのがあって注連を切り落とす。祈願の者は木で作った鎌を奉納すると記している。明治14年明治天皇東北巡幸の際境内が休憩所となり,大正8年県社となる。祭礼は現在8月23日であるが,小正月の行事である「竹打ち」は全国的にも有名になった神事。南北2組に分かれた若者が5mほどの青竹を手にして打ち合い,その優劣によってこの年の豊作を予祝するものである。北が勝てば豊作,南が勝てば米価が上がるというもの。竹打ちは今2月15日に行われる。神職の斎藤氏も伝統ある社家で,江戸期には国学ともかかわりが深かった。「秋田風土記」によれば中世の領主六郷氏は本荘藩主になってからも社領10石を寄進し,時々代参を遣わしたという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7021555