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太平山県立自然公園
【たいへいざんけんりつしぜんこうえん】


県中央部出羽山地内にある。秋田市・北秋田郡上小阿仁(かみこあに)村・河辺(かわべ)郡河辺町にまたがる自然公園。標高1,171mの奥岳が主峰であり,地質は第3紀の緑色凝灰岩が主であるが,部分的に玄武岩や安山岩が露出し,また変成花崗岩におおわれる部分もあって,特殊な高峰をなしている。三吉明神の山として頂上には太平山三吉神社奥宮をまつり,昔から信仰の霊山としても知られる。ここからは旭川・岩見川・小阿仁川・馬場目(ばばめ)川などの源流が発し,公園区域はその上流の渓流と自然林帯からなる。周辺の旭川上流仁別(にべつ)には太平山スキー場や仁別国民の森があり,春の山菜狩り,初夏の新緑探勝,夏のハイキングやサイクリングなどに四季を通じての絶好地。他に岨谷(そや)峡・小又(こまた)川渓谷・三内(さんない)川渓谷などの景勝地があり,藩政期以来留山として保護されたブナの原生林や天然杉,直山として経営され国有林として営林署に引き継がれて育成されてきた造林杉などの森林や,豊富な鳥獣と高山植物をも擁し,昭和47年7月に県立自然公園に指定。野田口・皿見内(さらみない)口・八田口・寺庭口・仁別口・丸舞口・萩形(はぎなり)口などの登山口がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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