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楢岡川
【ならおかがわ】


仙北(せんぼく)郡南外(なんがい)村を流れる川。由利(ゆり)郡境を源とする西ノ又川・湯元川・小友(おとも)川を南外村のほぼ中央落合に集め,途中,小出川・黒沢を入れて北流し,愛宕(あたご)山(85m)の麓西板戸で雄物(おもの)川に合流する。流路延長23km。当川の舟運について,一部の古文書,古老の伝承によれば,藩政期は主として年貢米を運ぶ御用船,明治から昭和初期までは米・豆類のほか,薪・木炭・酒などを運ぶ仲買商人の船が往来したという。船着場のうち落合浜は,平鹿(ひらか)・由利・大沢郷・外小友一帯の物資の集散地で,1日20隻もの船出があった。船頭は10尺の船棹1本で曲がりくねった急流を巧みに操り,大曲(おおまがり)までの往復1日,秋田までの往復1週間を要した(南外村誌資料第2集)。当川の支流,西ノ又川の南外ダム工事が昭和46年着工,同53年完成した。同ダムにより,上流域の逆川・中川・細越地区の住家20戸・非住家10戸は湖底に沈み,国道105号と主要地方道の交差する上野地区に集団移転した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7022265